トンネルの雑学

2013年12月 4日 (水)

ヨーロッパとアジアを海底で直結するマルマライトンネル

トルコ共和国建国90周年に当たる本年10月29日、トルコ最大の都市イスタンブールに於いて、「マルマライトンネル」という総延長13.6kmの鉄道専用海底トンネル(海底区間は1.4km)が開業し、同日、その開業記念式典・開通式典が盛大に執り行われました。

 

イスタンブールは、かつてローマ帝国、ビザンチン帝国、オスマン・トルコ帝国という3代続いた大帝国の首都として栄え、現在も、アジアとヨーロッパを結ぶ地理的な要衝として大いに栄えている、人口1,300万人を有するイスラム圏最大級の都市ですが、ひとつの都市がヨーロッパとアジアの両方に跨っているという事は、必然的に、交通や交易の一大拠点になるというメリットと共に、全長約30kmのボスポラス海峡が都市を分断している事により都市内の移動は多大な不便を強いられるというデメリットも内包しています。

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この不便を解消するため、ボスポラス海峡には、第一ボスポラス大橋とファーティフ・スルタン・メフメト橋という2本の道路橋が架橋され、それぞれヨーロッパ側の商業地区とアジア側の住宅地区を連絡しており、また、それとは別に海峡を横断するフェリー航路も開設されているのですが、現実には、それだけではインフラとしては大いに不足しており(2本の橋の渋滞は慢性化していました)、人口増加や経済発展に伴い深刻化するイスタンブールの交通事情のボトルネックになっていました。

こういった事から、海底トンネルによって海峡の両岸を鉄道で結ぶ事で街の混雑緩和を図り、更に、海峡で二分された街の一体化を図り名実共に“アジアとヨーロッパの結合点”として成長させる、という目的の下、トルコの国家プロジェクトとして「マルマライ・プロジェクト」が推進される事になったのです。
「マルマライ」というのは、「マルマラ海」と「ライ(ray)=鉄道」の合成語で、将来的にはアジア側の端の町(ゲブゼ)とヨーロッパ側の端の町(ハルカル)を繋ぐ事になる76kmに及ぶ鉄道の事で、マルマライトンネルは、その「マルマライ・プロジェクト」の主要部分として建設されたのです。

ボスポラス海峡を横断するという計画自体は、オスマン・トルコ帝国時代の1860年に設計図が描かれて以降、何度も持ち上がっているのですが、その度に、政治的あるいは技術的な理由により計画が頓挫しており、トルコ国内では、ボスポラス海峡を横断するトンネルの建設は“トルコ150年の夢”とされてきました。
しかし、日本政府の円借款などにより(日本から過去最大級の円借款1,532億円が供与されました)、日本の大成建設と、現地トルコのガマ重工業、ヌロール社の3社が合同して、ついに、長い間夢物語とされてきたボスポラス海峡横断トンネルの建設工事が始まりました。

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海峡区間は、11個の函を組み立てた全長1,387mの沈埋トンネルが建設される事となったのですが、これはつまり、トンネルを掘って造るのではなく、陸上で作った「沈埋函(ちんまいかん)」というコンクリートの筒11個を海底に沈めて繋いでトンネルを造るという工法です。
特に高度な技術が必要とされるこの沈埋トンネル区間は主に大成建設が、そして、近隣対策が必要な郊外部分は主にガマ重工業とヌロール社が、それぞれ施工を担当しました。

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深さ60mの海底に沈埋函を沈設する工事と、立坑を介さずにシールドマシンと沈埋函を直接接合させる工事は、世界でも初めての試みであり、困難を極め、しかも、建設工事の途中で8,000年以上前のものとみられる遺跡にぶつかったことなどから、工事の進捗は当初の予定より4年遅れましたが、平成20年10月、トンネルの沈設が完了し、平成23年2月には貫通記念セレモニーが執り行われました。
平成25年8月からはトンネル内での列車の試運転が始まり、そして、冒頭で述べたように、今年の10月29日、ついにマルマライトンネルは開業を迎えました。

 

地域の大国になる事を目指しているトルコは、このトンネルを、世界全体にとって重要な、北京とロンドンを結ぶ最後の陸地接合部と位置付けており、開業記念式典・開通式典でトルコのエルドアン首相は、人々が歓声を上げて国旗を振る中、日本の安倍晋三首相ら来賓を前に、「我々は今日、この大規模プロジェクトによってトルコの価値を高めると共に、民主的な共和国が安定と信頼、兄弟愛、それに連帯によって何を成し遂げられるか証明した」と述べ、「マルマライは両大陸を結び付けるのと同様に人々と国々を一つにする」と強調しました。
下の写真は、開業記念式典・開通式典で、マルマライトンネルを走る地下鉄に試乗した、我が国の安倍首相(右端)です。

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以下の鉤括弧内(緑文字)は、この時の開通式典での安倍首相のスピーチ全文です(首相官邸ホームページから転載しました)。

ギュル大統領閣下、チチェッキ国会議長閣下、エルドアン首相閣下、御列席の皆様、トルコ建国90周年を、心からお祝い申し上げます。
トルコの皆様は、歴史と、伝統を重んじながら、近代化という難題と折り合いをつけてこられました。
アジアの東端、長い伝統を持つ国から来た私たちには、アジアの西端にある皆様のご苦労が、よく分かります。トルコと、その人々に、とこしえの、栄光と、幸がありますように!!
そして今日、建国90周年の佳き日に、アジアと欧州を分かつ海峡を、鉄道で連結するという一世紀半の夢、1860年に、最初の設計図が描かれてこの方、諦めずに保ってこられた夢を、皆様はとうとう実現なさいました。ほんとうに、おめでとうございます!!

5月に、エルドアン首相とお会いした時、東京とイスタンブールは、オリンピック開催をめぐって競い合っていました。私たち二人はあの時、どちらが勝っても、一番にお祝いしようと約束しました。
9月7日、ブエノスアイレスで、開催地が東京だと決まった時、エルドアン首相は、誰より先に私のところへやって来て、祝福の抱擁を与えてくれたのです。エルドアン首相…、私はあの時、首相の勇気と友情に、心の底から感銘を覚えました。
今度は、私がエルドアン首相を祝福する番です。今年の5月、首相は身を乗り出しておっしゃいました。マルマライのプロジェクトが、いかに大切か、トルコにとって、その完成が、どれほど悲願であったかということを。開通式典に、ぜひ来てくれと、おっしゃいました。皆さん私は、名誉に思います。首相との、約束を果たすことが出来たのですから。

約60メートルの深さに、沈埋工法でトンネルをつくった前例など、ひとつもないのだと聞きました。水深によって流れを変える強い水流は、専門家という専門家に、「不可能に近い工事だ」と、言わせたとも聞いています。
トンネル工事を指揮したお一人、大成建設の小山文男さんという方は、それでも成功できたワケはなんだと聞かれ、「諦めないことだ」と答えています。「諦めないことが、成功への第一歩、そして、最後の一歩だった」という小山さんの言葉は、工事がどれほど難しかったか、すべてを語っているではありませんか。
工事に携わった、トルコ、日本、そして関係者、すべてのみなさん、みなさんのお仕事を、世界はいま、讃えています!!
いつまでも地図に載り、世代を継いで歴史に残る大事業のパートナーとして、トルコの皆様が、日本と、日本の企業を選んでくださったことに、改めて御礼申し上げます。

さあ次は、東京発イスタンブール、そしてイスタンブールからロンドンにつながる新幹線が走る夢を、一緒に見ましょう。
いまや力強い経済を獲得したトルコと、日本は、G20の仲間です。今年の5月、われわれ両国は、戦略的パートナーとして、外交面はもちろん、安保でも経済でも、対話と協力を深め、世界のため、ともに働くことを誓い合いました。
世界に平和と安定をもたらそうとして働くトルコと日本は、この、広いアジアを東西から支えるふたつの翼です。
皆様にとって150年来の夢が実現した日、東西を連結する偉大な都市イスタンブールの地を踏んで、私の脳裏には、しきりとそんなイメージが去来しました。
アジアに平和を。そして繁栄を。トルコと日本は、アジアを飛翔させるふたつの翼、両翼なのです。
テシェッキュル・エデリム。(ありがとうございました。)

 

マルマライトンネルの開業により、今までフェリーで30分かかっていた海峡の横断は、僅か4分に短縮されました。
トンネルの開業日から、このトンネルを走る地下鉄も運行を開始し、開業から15日間は無料で運行されました。今はまだ地下鉄のみの運行ですが、今後2年間のうちに、このトンネル走る長距離旅客車の運転も始まり、その後は、貨物輸送列車も運行される予定です。
トルコ政府によると、このトンネルを使った乗客輸送量は1日に最大150万人で、トルコの慢性的な交通渋滞を20%減らす事が出来るとの事です。

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2010年10月15日 (金)

アルプス山脈を貫く世界最長のトンネルが今日貫通

今日、青函トンネル(全長53.85km)の記録を超える世界最長のトンネルが、スイスで貫通しました。
以下は、今日のYahoo!ニュースからの転載です。

世界最長、57キロのトンネル貫通=25年ぶり青函抜く―スイス

【ジュネーブ時事】スイス南部のアルプス山脈で掘削が進められていた全長56.7キロの鉄道トンネル「ゴッタルドトンネル」が15日、着工から約10年を経て貫通した。これにより、スイスとイタリアを結ぶ巨大プロジェクトの要所が完成。1985年に本坑が貫通した日本の青函トンネルが持つ約54キロの世界最長記録を25年ぶりに塗り替えた。
同トンネルはエルストフェルドとボディオの二つの町をほぼ直線でつなぐ。アルプス山脈の地下深くを南北に貫くことで平たんなルートとし、最高時速250キロでの運行が可能。2017年以降にスイス・チューリヒとイタリア・ミラノ間の所要時間を現在の3時間半から1時間程度短縮する計画だ。
貫通式はアルプス山頂の地下2300メートルのトンネル中央付近で行われ、多くの作業員らが見守る中、最後に残った厚さ1.5メートルの岩盤が掘削機で突き破られた。式に参加したロイエンベルガー運輸相は「プロジェクトを信じない人もいた。トンネル貫通で欧州の交通網が前進する」と成功をたたえた。

そして、以下は、今日の産経ニュースからの転載です。

青函トンネル抜かれる スイスで世界一の57キロが貫通

スイス・アルプスを貫く世界最長となる約57キロの鉄道トンネル「ゴッタルドトンネル」が15日、貫通した。津軽海峡を隔てた青函トンネル(53.85キロ)が持つ記録を上回る。
貫通式はアルプス山系中央部にあるセドルン渓谷の約800メートル地下に設置された緊急避難用の駅近くで実施。セドルンはトンネルのほぼ中間地点に位置する。
ゴッタルドトンネルはスイスの最大都市チューリヒからイタリア・ミラノに抜ける旅客の利便性向上に加え、温室効果ガスを大量に排出するトラック輸送から排出がほとんどない鉄道輸送に物流の手段を切り替える役割も担う。
青函トンネル建設のきっかけのひとつは、1954年に津軽海峡で連絡船が沈没した「洞爺丸事故」だったが、ゴッタルドトンネルに関しては、地球温暖化防止も重要な要素となっている。(共同)

どちらの記事も、青函トンネルの記録が塗り替えられた事が強調されていますが、青函トンネルが世界最長の海底トンネルである事は依然として変わりありません!
技術的には、山岳でのトンネル工事よりも海底でのトンネル工事ほうが大変でしょうし(青函トンネルの工事中は何度も出水事故が起こっています)、私としてはやはり日本の技術は世界最高レベルにあると確信しています!

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2009年12月28日 (月)

「橋」と「関西圏の鉄道」についてのブログ

今日は、私が管理・更新している各ブログ(このブログやミクシィの日記等も含めると全部で6つ)のうち、このブログと一部関連のある内容を記事としてアップする事がある2つのブログを紹介させて頂きます。
このブログ同様、どちらも仕事とは関係無く個人的な趣味で作成しているブログですが、もし宜しければ御覧下さい。

▼ なんだか知らないけど橋が好き!
http://bridgelove.exblog.jp/

▼ 札幌人からみた関西圏の鉄道事情
http://sky.ap.teacup.com/kansai/

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2009年6月28日 (日)

国内の長大トンネルベスト5

トンネルは、橋に比べるとその長さは全般的に長いといえます。全国的に見ても、全長1kmを超える橋は数える程しかありませんが、全長1kmを超えるトンネルは全国に500箇所以上ある事からもそれは明らかです。今日は、国内における道路トンネルと鉄道トンネルの、それぞれの長さ(長大トンネル)ベスト5を発表させて頂きます。

◆道路トンネル

トンネルの掘削技術は常に進化し続けており、特に、各地で高速道路の建設が進むにつれ、長大トンネルが次々と各地で誕生しています。なぜなら、高速道路は一般道路のようにヘアピンカーブや急勾配があってはならず、また、輸送力を高めるために可能な限りルートの直線化が図られため、高速道路のトンネルは必然的に長くなる傾向があるからです。実際、国内における道路の長大トンネルの上位は高速道路上に建設されたものが多くを占めています。

【1位】 関越トンネル
(群馬県・新潟県、関越自動車道、11.1km)
将来、これよりも長い道路トンネルが建設されるのは間違いありませんが、現時点で長さが10kmを超える道路トンネルは関越トンネルだけで、道路トンネルとしては日本最長の長さを誇ります。昭和60年に現在の下り線トンネルが開通して片側1車線(暫定2車線)の対面通行で暫定供用を開始し、平成3年に上り線トンネルが開通して全区間4車線での供用を開始しました。
長大トンネルのため、トンネル内は最高速度が70km/hに規制されており、事故・火災・故障車両発生などの緊急時に備え、上下線ともトンネル入口には信号機が設置されています(通常は青ですがトンネル内で異常事態が発生した時は赤になります)。

【2位】 飛騨トンネル
(岐阜県、東海北陸自動車道、10.7km)
平成8年に着工し、平成20年に暫定2車線で開通した、道路トンネルとしては日本第2位の長さを誇る長大トンネルです。
最大土被りは1,000m以上、水圧は5.4MPa(55kgf/cm2)、最大湧水量は毎分70tになるなど、いずれも青函トンネル建設工事以上の数値を記録し、また、貫通まで残り280m地点で土圧によりトンネル掘削機のカッターが潰れて停止するなど、建設開始当初の予想を超える難工事となり、当初の予定より3年9ヶ月も遅れての開通となりました。但し、土木史上稀に見る難工事であったにも拘らず「死亡事故0」という実績は特筆すべきものです。

【3位】 東京湾アクアトンネル
(神奈川県・千葉県、国道409号、9.6km)
東京湾を横断して神奈川県川崎市と千葉県木更津市とを結ぶ「東京湾アクアライン」にある、平成9年に開通した海底トンネルです。
東京湾アクアラインは、川崎側の9.6kmがアクアトンネル、木更津側の4.4km がアクアブリッジと呼ばれる橋になっており、その境の人工島には「海ほたるパーキングエリア」が設けられています。このように半分をトンネル、半分を橋としたのは、トンネルだけにすると費用が莫大になり、また、橋だけにすると大型船舶が航行する際の支障となるためです。

【4位】 栗子トンネル
(福島県・山形県、東北中央自動車道、9.0km)
平成20年代後半の区間供用開始を目指して今年着工されたばかりの、建設中のトンネルです。供用後は、陸上の道路トンネルとして日本第3位の長さになります。完成時期は、工事の進捗状況に左右されるため未定となっています。

【5位】 恵那山トンネル
(長野県・岐阜県、中央自動車道、8.6km)
昭和50年に一期(現在の下り線)トンネルが開通した時点では日本一の長さを誇る道路トンネルでした。昭和60年に二期(現在の上り車線)トンネルが開通し、完全4車線化されました。

◆鉄道トンネル

鉄道の長大トンネルは、道路の長大トンネルよりもかなり長いのですが、これは、鉄道はカーブと勾配に弱いためで、その弱点を補おうとするとどうしてもトンネルは長くならざるを得ないからです。例えば、群馬・新潟両県の県境に横たわる越後山脈を貫く道路トンネル(関越トンネル)が11.1kmであるの対し、鉄道トンネル(大清水トンネル)はその倍の22.2kmもあります。
日本一長いトンネルは、現在の所世界最長トンネルでもある、北海道の渡島半島南端と青森県の津軽半島北端とを結ぶ全長53.9kmの青函トンネルですが(英仏間のドーバー海峡を結ぶユーロトンネルより4.4km長いです)、もしこれが道路用のトンネルだったとしたら、間違いなくもっと短いトンネルで済んだはずです。

【1位】 青函トンネル
(北海道・青森県、海峡線、53.9km)
青函トンネルの詳細については、昨年3月14日の記事を御参照下さい。

【2位】 八甲田トンネル
(青森県、東北新幹線、26.5km)
東北新幹線の七戸駅(仮称)~新青森駅間に建設中(但し貫通済み)のトンネルで、完成すれば日本で最も長い陸上トンネルになります。世界最長の陸上トンネルは、スイスのレッチュベルクベーストンネル(全長約34.6km)ですが、レッチュベルクベーストンネルは単線断面の区間を含むため、複線断面の陸上トンネルとしては八甲田トンネルが世界最長になります。

【3位】 岩手一戸トンネル
(岩手県、東北新幹線、25.8km)
八甲田トンネルが完成していない現時点では、陸上にあるトンネルとしては日本で最も長いトンネルです。平成12年に開通し、ノルウエェーにある24.5kmのラルダールトンネル(道路トンネルとしては現在でも世界最長)を抜いて世界最長の陸上トンネルになりました。通過には、新幹線でも約6分かかります。

【4位】 飯山トンネル
(長野県・新潟県、北陸新幹線、22.2km)
平成10年に着工し、同19年に貫通した、現在建設中のトンネルです。このトンネルのある区間(北陸新幹線の長野~金沢間)は、平成26年度末に開業する予定です。

【5位】 大清水トンネル
(群馬県・新潟県、上越新幹線、22.2km)
昭和46年に着工し、同56年に完成したトンネルで、完成当時は世界最長の山岳トンネルでもありました。工事中に湧水に悩まされましたが、その水が非常に美味であった事から、昭和59年から『名水「大清水(おおしみず)」』ブランドとしてミネラルウォーターや清涼飲料水などにシリーズ化されました。

※備考
第6位は新関門トンネル(山陽新幹線、18.7km)、第7位は六甲トンネル(山陽新幹線、16.3km)です。

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2008年4月29日 (火)

トンネルの造り方

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トンネルの施工方法は、大まかに分類すると、上の概念図で示した4種(山岳工法、シールド工法、開削工法、沈埋工法)に分ける事ができます。
以下に、それぞれの工法について、その概略を説明させて頂きます。大抵のトンネルはこのいずれかの工法、もしくはこれらの工法の組み合わせによって造られています。

【1】 山岳工法

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最近は山岳にのみ限定されて適用されている工法ではありませんが(都市部のトンネル工事でも適用されています)、本来は山岳部の比較的堅硬な岩盤の中を掘削するために開発された工法で、基本的には、地山自体が保有する強度と支保工(上部や側面からの荷重を支えるために用いる仮設の枠)の強度の両方で地山の自重に耐えられるような考え方でトンネルを造る工法といえます。
一般には、まず土にダイナマイトをしかけて発破し、もしくは機械を使って掘り進み、掘った所が崩れないようにすぐに支保工で土を支え、その周囲にコンクリートの壁を造ります。つまり、トンネルの先端でどんどん掘り続け、その後に壁を作って前へ前へと掘り進んでいくのです。

山岳工法は更にいくつかの方法に分類できますが、その中で現在最も標準的な工法は「NATM」(ナトム)と呼ばれるヨーロッパから導入された工法で、これは、吹付けコンクリート、ロックボルト、鋼製支保工をトンネルの支保工に用いて地山を補強し、地山自身の強度によってトンネルを構築する工法です。

【2】 シールド工法

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シールドと呼ばれる鋼鉄製の円筒を地中に入れて、周囲の地盤の崩壊を避けながらシールド前方の地盤の掘削を行う工法です。
岩盤や土を削り取るカッターが付いたシールドを回転させながら掘り進み、シールド後方では、セグメントと呼ばれる鋼鉄または鉄筋コンクリート製部材であるトンネル覆工を組み立てる事によって、トンネル全体を構築していきます。
よくマンガや特撮番組などには、前面に大きなドリル、下面にキャタピラの付いた穴堀りマシンが登場しますが、回転しながら掘るという意味では、あれと似ていない事もありません。

一般に、シールド工法は開削工法に比べて工費が割高になりますが(山岳工法と比べても、施工延長が1km以上ないとシールド工法の適用は経済的ではありません)、非情に軟弱な地盤に於いてもトンネルが施工できる工法である事から、開削工法の適用が困難な都市部のトンネル工事では頻繁に用いられています。
但し、他の工法ではいずれも任意の断面にトンネルを掘る事が可能ですが、シールド工法で造られたトンネルの断面は、円筒のシールドを回して掘削するというその特性上、ほぼ円形に限定されます。

【3】 開削工法

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地表面から所定の深さまで地盤を掘削して、そこにトンネル構造物を構築し、その後、これを埋め戻す施工方法です。
開削工法は、地下構造物を造る場合の最も一般的な施工方法であり、地表から浅い位置に造るトンネル工法として頻繁に用いられてきました。トンネルの断面は、ほとんどの場合四角くなっています。
しかし近年は、地表の交通に対する影響や環境問題を回避するため、また、既設の地下構造物(他のトンネル、水道管、ガス管など)が混み合っている場合にはそれらを避けるため、シールド工法が採用されるケースが増えてきています。

【4】 沈埋工法

河口や湾などの比較的浅い水底トンネルを施工する際によく採用される工法で、予めトンネル構造物(沈埋函)の一部または全部を製作しておき、水上を曳航して所定の位置で沈め、沈めた沈埋函同士を接合してトンネルを建設します。
沈埋函を沈設する位置には前もって溝を掘り、その溝にはまるように沈埋函を沈設し、沈設後は覆土してトンネルを完成させます。山岳工法やシールド工法に比べ、自由な断面形状で、しかも大きなトンネルを造れる事が特徴です。

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