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2008年9月 2日 (火)

ねじりまんぽ

琵琶湖疎水のインクラインとは、琵琶湖疎水という水路を航行する船を、途中の高低差のある坂(水の流れていない区間)で、船ごと台車に載せて運搬するために設けられた傾斜軌道(ケーブルカー)の事をいうのですが、インクラインの軌道が敷かれている一部区間(南禅寺や地下鉄東西線蹴上駅の付近)は土手になっており、その土手を貫く形で、軌道の下をくぐる人道トンネルが造られています。

明治21年に造られたこのトンネルは、一般に「ねじりまんぽ」と称されているのですが、「まんぽ」とは、線路の下をくぐって通り抜けが出来るようなトンネルなどの構造物を示す、中部地方から近畿地方にかけて使われていた方言で、この「まんぽ」はトンネル内のアーチ構造を煉瓦積みをしていく時にねじれるような積み方をしていった事から、「ねじりまんぽ」と呼ばれているのです。

下の写真はいずれも、先週京都に旅行に行ってきた際に私が撮影してきた「ねじりまんぽ」の写真で、1枚目(上段)がねじりまんぽの南西側の坑門で、2枚目(下段)が北東側の坑門です。
歴史を感じさせるかなりいかめしい、それでいて実に美しい造りです。

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下の写真がねじりまんぽの内部で、ねじれるように螺旋状に積まれている煉瓦の組み合わせや構造がよく分かります。
このトンネルでは、トンネルと、トンネルの上に敷設されているインクラインの軌道は直角ではなく斜めに交差しており、このように斜めに架かっているアーチのトンネルでは通常の煉瓦の組み方で造るとトンネルにひずみがかかり、そのため、トンネルの強度を保つために力学的な観点からこのような構造になっているのだそうです。

Cimg7031

ちなみに、琵琶湖疎水とは、「琵琶湖の水を京都に!」という京都の人々の長年の夢を実現するため明治時代に造られた、琵琶湖と京都を繋ぐ水路の事で、この水路の建設により琵琶湖から京都への水運が可能になりましたが、九条山と蹴上の間には平面距離582mの区間に約36mもの高低差があり、そのためこの区間には船を運搬するためのインクライン(ケーブルカー)が設けられ、蹴上船溜や南禅寺船溜に到着した船は船毎台車に載せて運搬されました。
インクラインの運用は昭和26年を最後に廃止されましたが、鉄製の軌道と台車は産業遺産として今もそのまま残されており、平成8年には国の史跡指定を受け、今日の京都を築いた産業遺産の一つとして往時を偲ばせています。散策路として開放されているため、軌道の上は歩く事もできます。

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