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2008年4月29日 (火)

トンネルの造り方

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トンネルの施工方法は、大まかに分類すると、上の概念図で示した4種(山岳工法、シールド工法、開削工法、沈埋工法)に分ける事ができます。
以下に、それぞれの工法について、その概略を説明させて頂きます。大抵のトンネルはこのいずれかの工法、もしくはこれらの工法の組み合わせによって造られています。

【1】 山岳工法

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最近は山岳にのみ限定されて適用されている工法ではありませんが(都市部のトンネル工事でも適用されています)、本来は山岳部の比較的堅硬な岩盤の中を掘削するために開発された工法で、基本的には、地山自体が保有する強度と支保工(上部や側面からの荷重を支えるために用いる仮設の枠)の強度の両方で地山の自重に耐えられるような考え方でトンネルを造る工法といえます。
一般には、まず土にダイナマイトをしかけて発破し、もしくは機械を使って掘り進み、掘った所が崩れないようにすぐに支保工で土を支え、その周囲にコンクリートの壁を造ります。つまり、トンネルの先端でどんどん掘り続け、その後に壁を作って前へ前へと掘り進んでいくのです。

山岳工法は更にいくつかの方法に分類できますが、その中で現在最も標準的な工法は「NATM」(ナトム)と呼ばれるヨーロッパから導入された工法で、これは、吹付けコンクリート、ロックボルト、鋼製支保工をトンネルの支保工に用いて地山を補強し、地山自身の強度によってトンネルを構築する工法です。

【2】 シールド工法

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シールドと呼ばれる鋼鉄製の円筒を地中に入れて、周囲の地盤の崩壊を避けながらシールド前方の地盤の掘削を行う工法です。
岩盤や土を削り取るカッターが付いたシールドを回転させながら掘り進み、シールド後方では、セグメントと呼ばれる鋼鉄または鉄筋コンクリート製部材であるトンネル覆工を組み立てる事によって、トンネル全体を構築していきます。
よくマンガや特撮番組などには、前面に大きなドリル、下面にキャタピラの付いた穴堀りマシンが登場しますが、回転しながら掘るという意味では、あれと似ていない事もありません。

一般に、シールド工法は開削工法に比べて工費が割高になりますが(山岳工法と比べても、施工延長が1km以上ないとシールド工法の適用は経済的ではありません)、非情に軟弱な地盤に於いてもトンネルが施工できる工法である事から、開削工法の適用が困難な都市部のトンネル工事では頻繁に用いられています。
但し、他の工法ではいずれも任意の断面にトンネルを掘る事が可能ですが、シールド工法で造られたトンネルの断面は、円筒のシールドを回して掘削するというその特性上、ほぼ円形に限定されます。

【3】 開削工法

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地表面から所定の深さまで地盤を掘削して、そこにトンネル構造物を構築し、その後、これを埋め戻す施工方法です。
開削工法は、地下構造物を造る場合の最も一般的な施工方法であり、地表から浅い位置に造るトンネル工法として頻繁に用いられてきました。トンネルの断面は、ほとんどの場合四角くなっています。
しかし近年は、地表の交通に対する影響や環境問題を回避するため、また、既設の地下構造物(他のトンネル、水道管、ガス管など)が混み合っている場合にはそれらを避けるため、シールド工法が採用されるケースが増えてきています。

【4】 沈埋工法

河口や湾などの比較的浅い水底トンネルを施工する際によく採用される工法で、予めトンネル構造物(沈埋函)の一部または全部を製作しておき、水上を曳航して所定の位置で沈め、沈めた沈埋函同士を接合してトンネルを建設します。
沈埋函を沈設する位置には前もって溝を掘り、その溝にはまるように沈埋函を沈設し、沈設後は覆土してトンネルを完成させます。山岳工法やシールド工法に比べ、自由な断面形状で、しかも大きなトンネルを造れる事が特徴です。

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